Global Surveillance on Emerging and Re-emerging Diseases

特殊感染症等の疾病情報の収集システムの構築および活用に関する研究

ベトナム・タイ訪問 
(1/17-1/25)
訪問者
中野貴司氏(国立療養所三重病院)
高見淳一氏(国立熊本病院)
月東 渉氏(国立療養所三重病院)
中根美幸氏(ACIH)
訪問先
ベトナム 
Phutho Province Preventive Health Center
Bach Mai Hospital
タイ
Charoenkrung Pracharak Hospital

ベトナム センチネル検査室視察

ベトナム・タイ訪問

国立熊本病院  高見淳一

 2003年1月中旬、日本国内で猛威を振るうインフルエンザからの逃避行のようなベトナムとタイの訪問となりました。今回の渡航はこれまでのJICA研修や昨年の現地調査などにより、統計報告や共同研究が継続的に実施可能であると確認された施設Bach Mai Hospital、Phu Tho Province Preventive Health Center、Charoenkrung Pracharak Hospitalへの派遣です。主目的はインフルエンザとロタウイルスの検出試薬を臨地供与し、その診断方法のトレ−ニングを実施する事にあります。これらはセンチネル方式定点観測での確実な疾病発生状況の把握・解析に繋がると考えられます。

 途上国での死因の最上位を占める急性呼吸器感染症と下痢症は、WHOやACIHサ−ベイランス(AGSnet)においても高頻度に報告されています。しかしその内容の実態は病原体確認によるものは少なく、医療現場の経験的判断による報告が多くを占めている状態です。ごく近年になりインフルエンザやロタウイルスなどの診断は、簡便で特異性にも優れた迅速試薬の開発で極めて容易なものとなりました。周到な試薬配備による確実な検査成績からは信頼性の高いデ−タが得られます。今後、これらを利用した疫学的調査や統計は従来に増して高精度となり、貴重なデ−タの蓄積をもたらす事が予想できます。

 視察訪問の3施設には、全てに国立熊本病院でのコ−ス研修受講経験者が所属勤務されており、事前の連絡交渉も積み重ねて非常に好意的な歓迎を受けました。日本から持参した試薬の実験室診断の技術移転講習では、多くのメディカル・スタッフによる強い興味の眼差しを受けながら、この任を遂行できました。各国の施設において、それぞれの設備状況・人的配備に支障感を見出す事はありませんでした。しかし多岐にわたる医学・保健衛生の診断や検査の為の情報知識と、係る試薬類の不足は否めない環境を観察しました。

 昨今、特に日本の途上国支援は物質供与の面から技術的協力へと評価が移行しつつあります。その一方では、有益な物品の供給援助が不可欠な状況が多く残存している国々の現実にも、接し得た今回の訪問でした。国際医療協力は相手国の現状に即した的確な支援が肝要である事を再確認する結果となりました。

 期間中、全行程に同行させて頂いた国立療養所三重病院の中野貴司先生と月東渉氏、及びACIH中根美幸氏に多大なお世話になり深謝申し上げます。又、計画の立案・指示など全てのコ−ディネイトを賜りました蟻田功先生他、国際保健医療交流センタ−の皆様に謝意を表します。最後に、極寒期の日本国内におけるインフルエンザ罹患から逃れた4名の視察者には、全員が健康的で有意義な東南アジアの日々を過ごす事ができた点を付記したいと思います。
 

訪問中、診断キットの技術指導を行った ベトナム Phu Tho Province Hospitalの検査室風景 今後の研究方針について協議
タイ Charoenkrung Pracharak Hospital タイ Charoenkrung Pracharak Hospital

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[最終更新日:2003/04/04 ]
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