(財)国際保健医療交流センター


感染症対策 天然痘


天然痘患者天然痘は、痘瘡ウイルス(Orthopoxvirus オルソポックスウイルス属)により引き起こされる急性の感染症です。古くから世界中で恐れられてきた天然痘ですが、1967年に世界保健機構(WHO)のリーダーシップのもと、天然痘根絶計画を開始、1980年、ソマリアでの最後の患者(1977年)をもってこの病気が根絶されました。しかし、今、生物兵器に天然痘ウイルスを使用するという噂があり、残念です。

症状:7〜17日の潜伏期の後、倦怠感、発熱、頭痛といった前駆症状にて発病し、2〜3日後に特徴的な発疹が顔や手足を中心に全身に出現。致死率は30%にも及ぶことがある。ヒトからヒトへは飛沫感染し、この感染力は発症後1週間以内の患者からのものが最も大きい。

天然痘根絶変遷

アジア・アフリカを起源として発疹熱として最も古くから恐れられていた
紀元前12世紀 エジプト王朝ラムセス五世 天然痘により死亡

8世紀    奈良・平城京で猛威を振るう
11世紀    ヨーロッパで大流行、人口が激減
16世紀    アメリカ大陸で流行、アステカ文明やインカ文明滅亡

1798年    ジェンナーにより種痘ワクチンの開発、初の予防接種

1967年    WHOのリーダーシップのもと、天然痘根絶計画開始
                世界33ヶ国に常在、発生数は約2,000万人、死亡数400万人と推定

            戦略 ワクチン接種、患者発見とその周辺での種痘

1977年10月26日    ソマリアで最後の患者発生

1980年    WHOによる天然痘根絶宣言
     天然痘ウイルスはアメリカとロシアの2施設で厳重に保管

2002年〜    生物兵器の恐れからワクチン備蓄
      軍や医療関係者への予防接種が計画されつつある。

天然痘の鬼神を退治する為朝日本では、江戸時代の死亡原因の第一位は天然痘と言われ、「見目定めの病」と忌み嫌われていた。種痘は江戸後期に伝わり、明治以降は政府主導の下に実施。1946(昭和21)年には18,000人に近い数の流行が見られたが、緊急接種などが行われて沈静化し、1956(昭和31)年以降には国内での発生は見られていない。1976(昭和51)年以降、種痘は行われていない。

右図「天然痘の鬼神を退治する為朝」源為朝が天然痘を退治してくれるものとして崇められていました。

WHOでは天然痘根絶計画を行っている間に得られた方法、すなわち予防医学と国際協力を取り入れた事業の進め方を応用してポリオ(小児マヒ)の根絶計画や麻疹(はしか)の対策を行っています。


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[最終更新日:2004年06月25日 ]

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